コロナウイルスが生んだ負の連鎖ー家庭内暴力ー

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女性への暴力被害の相談を受け付けるコールセンター「3919」
 

今回のブログでは、コロナウイルスが生みだした新たな問題、家庭内暴力について取り上げる。この問題はフランスのみならず、全世界で共通していくだろう。

 

2019年版「ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)」によると、フランスは153カ国中15位で、日本は121位とG7の中で圧倒的に最下位であった。フランスは、北欧諸国に続き比較的上位であるが、フランスの男女平等・差別対策庁によると、年間21万9000人ほどの女性が性暴力や身体的暴力の被害にあっているという。1日に約600件の女性への暴力が起きているという訳である。

 

日本においても、コロナウイルスによる外出自粛によって多くの女性の状況が危機に晒されている。

https://www.businessinsider.jp/amp/post-210144

このサイトのニュースによると、コロナウイルスの影響で外出が制限された女性たちは、家庭内暴力からの逃げ場を失い、また、来客の減少に伴ってバイトのシフトを減らされた事で生計が難しくなっているという。現在日本では、フランスほどに日常生活への制限がかけられてはいないが、今後どうなっていくかは分からない。日本政府は、フランスで実施されていく暴力被害者への支援対策などを注視し、早急に対策を練る必要がある。

 

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フランス語の記事:

http://madame.lefigaro.fr/societe/les-centres-commerciaux-refuges-des-victimes-de-violences-conjuga-290320-180510

 

商業施設、自宅待機中での家庭内暴力被害者の避難所


3月28日土曜日、男女平等・差別対策担当副大臣 マルレーヌ・シアパ (Marlène Schiappa)は自宅待機が始まってからの家庭内暴力の増加に対応するため、「points d’accompagnement éphémères(一時的支援スポット)」をパリや地方の商業施設に設置する事を発表した。

 

男女平等・差別対策担当副大臣 マルレーヌ・シアパは、自宅待機の最中において家庭内暴力問題により注視している。3月28日土曜日、マルレーヌ大臣は全地区の緊急宿泊施設の状況調査の要請後、移動が限られた現下において暴力被害に遭った女性を受け入れるための「points d’accompagnement éphémères(一時的支援スポット)」を翌月曜日から商業施設に設置することを発表した。 


緊急は目前に迫っているのである。3月29日日曜日、マルレーヌ大臣は衛星ヨーロッパ1に次のように報告した。「警察の家庭内暴力課では、1週間の内で普段より32%の増加の届け出があり、パリ警視庁では36%の増加となった。」そして、「これらの情報提供は、自宅待機下において家庭内暴力が増加傾向にある事を提示している。」と付け加えた。


「翌週には20箇所ほどのスポットを」


マルレーヌ大臣は「普段より移動が難しいが、我々は確実に女性支援プランを実施する」と保障した。実際のところ、これらの枠組みは地域組織と共に「一時的」に作られたものであり、国とUnibail-Rodamco-Westfield(商業施設理事)は地域にサービスを提供する。マルレーヌ大臣は「女性を迎え入れるための保護の基準を遵守しつつ、彼女らのプライバシーを守ろう」と述べた。


この独自措置は、まずパリの次の地域の商業施設で実施される: So Ouest à Levallois-Perret, les 4 Temps à la Défense, Carré Sénart à Lieusaint, le Forum des Halles à Paris, ou les Ulis, et, dans le Nord, V2 à Valenciennes。続いて、「ディジョン、レンヌ、リヨンなどの大型スーパーが営業している地方で実施される」と大臣は列挙する。目的は?大臣は「20箇所ほどのスポットを翌週に」開くことだ。買い物をする際、女性たちは慎重に耳を傾けて、革新的で利便性に富んだこれらの権利へのアクセスを見つけるだろう」と立証した。


「100万ユーロの基金が投資される」


ー国の措置は一時停止しているのではなく、むしろ強化されているー

 

マルレーヌ大臣によると、これらの措置と並行して、「地域組織を援助するため国による100万ユーロ超の特別投資基金が時期的に」投機される予定だ。国務長官も「暴力的な男性から女性が逃げるために2万部屋ほどの夜間ホテルの提供」を実施する。

政治家も同様に、自宅待機下では外出許可証に従っているが、家庭内暴力の状況においてはこの規則は除外される。マルレーヌ大臣は、この許可証に欠けている「抗議の具申」は「家庭内暴力被害者のための司法権」であり、開かれた権利だと宣言した。


「自宅待機は各個人と家族の問題を打撃する集団的試練であり、状況は暴力的な者と暮らしている場合常に悪化している」と大臣は強調する。大臣はこの事をふまえ、住民と向き合った保証を政府の新たな対策に要求する。「いや、違う!国の措置は一時停止しているのではなく、むしろ強化されているのだ」と大臣は保証する。国務長官は、ここ2週間で家庭内暴力の件において「監護」と「有罪判決」は実施したと説明した。

もし、自宅待機が始まって以来、被害者向けの電話センター3919へのコールが普段より少ないならば、24時間・毎日開いている政府のプラットフォーム arrêtonslesviolences.gouv.fr (暴力を止めよう)のコミュニケーションを強化し、政治家と警察は連携して報告を取り合えるよう、また、アンケートや家庭内暴力に応じた調停を実施することを、大臣は望んだ。